言い訳はアンダーグラウンド(2020/11/11Creepy Nuts One Man Live「かつて天才だった俺たちへ」日本武道館公演)

ライブに行ったのっていつぶりだろう。Zepp福岡で見たおまごるのライブが最後だったかもしれない。私にとってはライブが無くても死にはしないけど、行ったら行ったで「やっぱライブだよな~」って思うくらいの存在感のものだ。そんなわけで虎視眈々とチケットを狙う、というよりは突発的に行きたくなってチケットを確保することが多い。

CreepyNutsを好きになってからたぶんまだ半年くらいだけど、このような状況で武道館ライブを行うとのこと。もちろんCreepyNutsを好きなこともあるが、「こんな中、やってくれてありがとう!応援します!」みたいに義憤に駆られて、11/11に武道館(初!)に行った。

 初の武道館、久しぶりの現場ということでなんだかソワソワする。「ああ、八角形の会場なのね」とか「これラジオでネタにされてた曲だな」とか思いながら席に着く。ちょっと早めに着いた。当然、両端は空席だ。観る側からすると荷物も置けるし、体も動かしやすいし(肩幅広いんですよね)、いいことだらけ。

BGMが一瞬大きくなり、会場が暗くなって、ライブスタート。なんだか感動してしまって、2週間経った今でもセトリを見て思いを馳せてしまう。

セトリに対する思いは書ききれないから絶対別途書く!という思いのもと、別のことを書きたい。「なんでCreepyNuts(ちょっと記載がめんどくさいから以下くりぴにする)を好きになったのか」というところである。

私はストリートダンスを大学のころからやっており、「hiphop」は比較的身近にあった気がする(ダンスのジャンルとしても曲のジャンルとしても)。ただし当時はラップミュージックに対して、全く良い感情は無かった。悪い感情も無かったので純粋に無関心だった。

そこでふと耳にしたのが「助演男優賞」だった(気がする)。こんなポップなラップがあるのか...!と目から鱗が落ちた。正確に言うと耳から落ちた。自分が当時持っていた「やさぐれ感」というか「こじらせ感」みたいなものを、ずばり表現された気がした。さらに日本語好きの私からすると、韻ってすごく面白くて、何でもっと若い時から気づけなかったんだろうと思うばかりだ。

というわけで私がくりぴに思う魅力はラッパー、DJとして実力がありながら、初心者の私を掬ってくれるポップな曲を発売してくれる!というところである。門戸が広いと言うのだろうか。今回の武道館でもそれは感じたところだ。

 

どこで感じたかというと、ひとえに「観客のノリ方」である。本当に多様性があった。

私や私の前にいた女性(どちらもひとり参戦)は結構体で音を取ってしまう。両端が空いているということもあり、積極的に空いたスペースを使っていくスタイルだった。R-指定が曲中手を上下に振るよう煽るのだが、それにも気づかずふわふわ楽しんでいた。

また私の斜め前にいた男性は仁王立ちで音楽を聴いていた。Rの煽りにも応えるがおそらく彼にとっては初めてやる動きだというのが見て取れた。

hiphopのライブではあるが、フードを被った奴らが重めに頷いてリズムを取っている訳でもなく、キャッキャしている奴らがはびこっているわけでもなく、なんというか色々な人がいた。

これもくりぴがメジャーシーンで戦い続けて、掬ってくれた人たちなんだと思うとなんだか胸が熱くなる。私も含めhiphopと交わるはずじゃなかった人たちを武道館に招き入れている現状は本当にすごい。

 

あとは拍手の仕方とかにも感じた。私にとっては拍手っていわゆる「沸く」瞬間にするものだ。例えば生業の高速ラップで、ソロのDJプレイで、している最中に、「ヤバい!」と思った瞬間に、瞬発的に手をたたくことが多い。

ただそんな人ばかりじゃなく、高速ラップが終わったら、ソロのDJプレイが終わったら、拍手を送る人たちもたくさんいた。私より「舞台」的な拍手の仕方だと思う。

 

あぁ長くなってしまった。というわけでたくさんの人をhiphopに巻き込めるくりぴって本当にすごいなと改めて思うばかりだ。セトリについても書きたい。